自然からのメッセージ - Message from Nature -
Geological survey ・ Natural search
2009年12月31日木曜日
冬の斜光に輝く
冬の斜光に輝く
その枝は銀色に輝いていた。
高度を下げた冬の斜光は、
澄んだ空間をまっすぐ通り抜け、
冬枯れの枝に反射する。
この光は沈黙の冬を照らし、
新しい季節へ希望を届けてくれる。
今年最後の自然からのメッセージは
冬の斜光に輝く風景で締めくくりたい。
2009年12月25日金曜日
月と観覧車
月と観覧車
我々は複雑に移動している。
地球の自転速度は約、500m/s
公転速度に至っては約、30km/s
地球は想像を絶する速度で太陽の周りを公転している。その公転をしながら自転をしている地球の上で、観覧車に人が乗って回転している。 実に複雑な
位置関係である。
この写真は偶然撮影したものであるが、地球の回転を意識させる写真に仕上がった。我々はこの瞬間も超高速で宇宙空間を移動しているのだ。
2009年12月21日月曜日
青年期の富士山
青年期の富士山
空から撮影した富士山の雄姿である。
火口へと続く富士宮口登山道と剣ヶ峯が確認できる。周囲を取り巻くリング状の雲は沈降性逆転層の影響だろうか・・標高3000mあたりに発生している様に感じる。
富士山の溶岩は火山砕屑物と火砕流堆積物で構成されている。この美しい円錐の形状と広大な裾野は玄武岩溶岩と火山灰が交互に堆積した成層火山であることを象徴している。
今のところ8万年の年齢を重ねている富士山。火山としては、まだまだ若くて青年期である。これからも噴火を繰り返し、その均整のとれた姿を大きく変化させることが予想される。我々は、日本を代表するこの山の、一番美しい姿の時代に生きているのかも知れない。
2009年12月19日土曜日
雪柿と自然学
雪柿と自然学
赤橙に熟した実。その実は純白の結晶を纏い、じっと重みに耐えている。
この端然とした姿は、自然学を想起させ、植物、鉱物、そして、人間も自然の一部であることを再認識させてくれる。
やがて、この冬の象徴は、穢れのない情景へとうつろい、風韻の風となるのである。
2009年12月14日月曜日
進化の証拠を探す旅
進化の証拠を探す旅
花崗岩と植物と大気層。その花崗岩の上で空間的広がりと人生を想う。
地球表層は厚さ30キロメートルの花崗岩からなる大陸地殻と7キロメートルの玄武岩からなる海洋地殻で構成されている。この瞬間も地球はプレート運動を続け、歴史を刻んでいる。
一方、生物は様々な地球表層環境変化に対応し進化をとげてきた。高等生物である人類は、唯一、歴史観を持った生物に進化し、その人類である私は、固体地球の進化の証拠を探す旅をつづけている。
この素敵な旅は、人生が終わる瞬間まで続くことになるのだろう・・
2009年12月11日金曜日
ゼノリスと想像力
ゼノリスと想像力
花崗岩の貫入時に周辺の泥質岩片を取り込んで固まったゼノリスである。
捕獲されている岩片は花崗岩より古い岩石と推察できる。それは、花崗岩マグマが貫入した時点で周辺の岩片を捕獲したことになるからである。丸い形状は岩片が熱溶解をし、変成を受けたことを物語っているのである。
フィールドではこの様な自然情報を見過ごすことの無い様に、深い想像力と関心を持って、情報を解読することが重要なのである。
2009年12月2日水曜日
断層上の駅
断層上の駅
新神戸駅と平行する諏訪山断層。
新神戸駅から延長線上の山裾あたりにかけて諏訪山断層が走っている。花崗岩からなる六甲山と大阪層群とされる砂礫層の間に断層がある。つまり、沖積平野境界部に走る断層帯である。
六甲山周辺では多くの断層や崩壊地があり、今日でも東西方向の強い水平圧縮を受け活発に活動している。我々が住む神戸の街はこの活動的な山の裾に広がっており、さらに、この断層の上には新幹線の駅があるのだ。
2009年11月29日日曜日
自然に接して感動する
自然に接して感動する
日没の瞬間は空気も凍る。
厳冬期の山は生命活動を許さない極限の世界。
吐く息は薄氷となり、瞬時にテント内に凍りつく。方向を失った風は、行き場を失い暴れ狂う・・やがて、テント内にも雪が降る。
厳しい自然は、我々が生きていることを実感させてくれる。
自然に接して感動すること。この原初的で単純な行為にこそ、意味があるのではないだろうか。
2009年11月25日水曜日
芸術的な溶岩柱
芸術的な溶岩柱
ギリシャ神殿の列柱を想起させる。
京都の夜久野には、約30万年前に噴火した火山がある。名前は田倉山。別名、宝山とも呼ばれるこの火山の溶岩は明灰色の玄武岩でできている。柱状節理の表面は淡い橙色に風化し、我々に優しい印象を与えてくれる。
それにしても芸術的な溶岩柱である。この瞬間にも、柱の陰から、あの女神アプロディーテーが姿を現してくれそうな気がするのだが・・
2009年11月24日火曜日
古い山道具
古い山道具
フランス製ミレーのザックは、ヨーロッパアルピニズムの薫りがする。
写真はチャクラという古いモデルで、所有しているザックの中では一番気に入っている。 今では幻と云われる、純フランス縫製のミレーである。ピッケルはラプラウド社製のスーパーワンドイと云うモデルでピックには、往年の登山家、ルネ・ドメゾンの名前が刻み込まれている。
これらの古い道具は当時の精神性を感じさせてくれる。そして、それを担いで山に登る時が最高に幸せなのだ。
2009年11月22日日曜日
白亜紀のカルデラ
白亜紀のカルデラ
兵庫県中部に広がる丹波帯は古い地層である。ペルム紀からジュラ紀にかけて付加した地層で、その当時は深海の海溝であったと考えられる。 一般的にはこの様な地層をコンプレックスと呼んでいる。 また、この周辺では砂岩やチャートの他に凝灰角礫岩や礫岩を確認することができる。火成活動を終えたカルデラは陥没して湖となり、やがて周辺の壁も崩れて砂や礫が堆積するのである。 これらのことから、白亜紀には、この周辺に大規模なカルデラがあったものと推察できるのだ。
西南日本に存在した白亜紀のカルデラ。この周辺に火山フロントがあり、大規模な火砕流が吹き荒れていた時代。この地方に足を踏み入れる時は、つい、そんな時代をイメージしてしまう。
2009年11月19日木曜日
錆色の美しさ
錆色の美しさ
熱水鉱脈鉱床の酸化帯から採取した鉱石。
表層水の影響を受け鉱石が化学変化を起こした部分のことを酸化帯と呼ぶ。このサンプルの表面は、鉄の酸化鉱物である褐鉄鉱に覆われている。中心部には赤鉄鉱の濃集部が確認でき、上部の赤い部分は赤鉄鉱が粉末状に風化したもと考えられる。緑色の点状鉱物は銅の二次鉱物である孔雀石やブロシャン銅鉱になる。
赤色の顔料としても使われる赤鉄鉱。表面が黒色でも条痕色は赤色になる。この様に風化した鉱石を見ると顔料に使えることが想像できる。錆びた色もよく見ると、美しい色に感じてくるから不思議である。
2009年11月17日火曜日
岩とアルピニスト
岩とアルピニスト
峻険な岩場を持つ、雪彦山。
その第二の岩峰、不行岳が神々しく輝いていた。 垂直に切れ落ちた壁は150m以上の高度差があり、アルパインクライマーは命がけでその岩壁を登る。その不思議な光景は、人が自然に挑戦している姿に映る。以前はこの山にもよく登ったが、最近はすっかりご無沙汰である。
この山は流紋岩と溶結凝灰岩で構成されている。 クライマーはその硬い凝灰岩にハーケンを打ち込み確保支点をとる。 優秀なアルピニストは岩質も良く知っているはずだ。
2009年11月15日日曜日
石のある暮らし
石のある暮らし
森と石に包まれた部屋でパイプ煙草を燻らす。テレピンの香りに満ちた部屋が、甘いバニラの香りへと染まる。そんな部屋の片隅で石の成因を思索している。石は時間の感覚を変化させ、意識を地質時代へと導いてくれる。
写真はオルドビス紀のオフィオライト断片、蛇紋岩である。5億年の時を重ねた石。私は、その石たちと一緒に暮らしている。
2009年11月12日木曜日
錦秋に燃える
錦秋に燃える
その秋は、白樺の奥で燃えていた。
自然林に透ける錦秋の風景である。澄んだ美しさには自然のもつ官能性を感じる。 できれば、今すぐにでも、この
情景を画布の上に定着させ、永遠に留めておきたいと想った。絵になる風景とは、まさに、この様な風景のことを云うのである。
そろそろ山の紅葉も終焉となる。枝は葉を落とし冬枯れの風景へと姿を変える。そして、高度を下げて強さを失った太陽の光と哀愁が山全体を包み込むのである。
2009年11月9日月曜日
魅惑の変成岩
魅惑の変成岩
変成岩のサンプルトレイを何とはなしに覗いてみると、一際目立つ岩石があった。その名は、アクチノ閃石片岩。別名、陽起石片岩とも呼ばれている、女性的で魅惑的な変成岩である。 緑色でガラス光沢をした針状結晶をルーペで観察すると、誰もがその美しさに息を呑む。日本列島は海洋プレートの沈み込み帯であるが故に、この様な美しい変成岩に出逢うことができる。この魅力的な変成岩は中央構造線の近くで高温低圧の変成を受けたはずである。しかし、この様な地中深部で変成を受けた岩石が地表に顔を出すメカニズムとは・・この石は、我々の想像を遥かに超えたダイナミックな経歴を持っているに違いない。
ということで、今夜はこの陽起石と向かい合って一杯呑るとするか。この陽起石が美しい楊貴妃に変身してくれることを期待して・・
2009年11月8日日曜日
岩塊流と自然観
岩塊流と自然観
燃ゆる黄葉林道を駆け登った。
この季節の段ヶ峰林道では、いつも、落ち葉の絨毯が出迎えてくれる。
一宮町の草木集落から千町峠を経由し段ヶ峰林道に入った。 その林道を少し下った辺りに、この岩塊流がある。おそらく最終氷期の凍結融解作用で、この様に破砕されたのであろう。
自然をどう見るのか・・時々考えることがある。あの今西錦司が語った様に
西洋的な自然科学だけでなく、生物に満ちみちた自然を素直にとらえることができる人に、私は憧れるのである。
2009年11月7日土曜日
落葉と落陽
落葉と落陽
落ち葉が逆光に舞っていた。
ここは、東経135度、北緯35度。西脇市に位置する公園の風景である。 秋も深まると広葉樹の葉が色付き、やがて落葉する。この美しい紅葉色はアントシアニンという赤い色素によって創り出されている。 日照時間が少なくなる冬には、光合成の効率が落ちるので、落葉植物は自ら葉を落とすのだ。
落葉は紅と哀愁に染まっている。そして、人生の落陽を向かえたとき、我々は、何色に染まるのであろうか・・
2009年10月22日木曜日
マグマの杭、橋杭岩
マグマの杭、橋杭岩
本州最南端に立ち並ぶ貫入溶岩、橋杭岩。南紀串本町の海岸を走っていると突然目に飛び込んでくる奇岩がある。杭のような岩が南の沖合いまで一直線に立ち並んでいる。この不思議な景観は今から1400万年前の火山活動によってできた。泥岩地層の隙間に地下から石英斑岩が貫入し、その後の差別侵食により泥岩が速く侵食され、石英斑岩だけが取り残されたというわけである。
南紀の海岸ロードではフェニックスが出迎えてくれる。海岸にはダイナミックな岩礁、その少し沖には南海トラフ、その上には青い空と輝く太陽、そして、その先には遥か太平洋。 そう、もうそれ以外、何もないのだ・・
2009年10月19日月曜日
地球深部探査船「ちきゅう」
地球深部探査船「ちきゅう」
ライザー掘削技術を科学研究用に初
めて導入した地球深部探査船ちきゅう。海底下7,000mを掘削できる能力を持ち
現時点では世界最高の掘削船である。船体中央の掘削やぐらはデリックと呼ばれており、船底からの高さは30階建てのビルに相当する。 最近の活動としては統合国際掘削計画(IODP)の主力船として活躍し、今回の南海トラフ掘削計画ではプレート境界部の赤色泥岩と玄武岩の採取に成功。 同時に海底下の地下水脈の存在も確認している。
海洋国である日本が世界に誇る船。今後の活躍と調査報告に期待したい。
2009年10月13日火曜日
村岡層のタービタイト
村岡層のタービタイト
北但層群村岡層の砂岩泥岩互層。別名、タービタイトとも呼ばれている。海底に堆積した泥の上に時々発生する混濁流によって運ばれてきた砂が堆積してこの様な互層ができる。 この地層では黒い泥岩層の全体に亀裂が生じて細かいチップ状態に風化しているのが確認できる。完全に乾燥した地層では、泥岩より砂岩の方が風化に強いのである。
フィールドに飛び出して自分の眼で自然の状態を観察すること。それが
自然を理解する近道なのである。
2009年10月6日火曜日
白亜紀の堆積地層
白亜紀の堆積地層
中生代白亜紀の地層を削る篠山川。この赤茶けた地層は篠山層群と呼ばれ白亜紀前期の内陸湖に堆積した地層と考えられている。地質は泥岩や礫岩を含む堆積地層になっており、この泥岩層からは国内最大級の恐竜化石も発掘されている。竜脚類に属するこの草食恐竜は丹波竜 という名で呼ばれている。
西日本一帯に広がっていたと考えられるこの淡水湖のほとりに大型恐竜が生息していたことは、ほぼ確実である。白亜紀の生物を化石として現代に伝えてくれた堆積岩に感謝しなければ・・
2009年9月28日月曜日
兵庫最南端の島、沼島
兵庫最南端の島、沼島
兵庫県下で唯一、西南日本外帯に属している場所、それが沼島である。この沼島と淡路島の間には中央構造線が走っており、この島に足を踏み入れると外帯の三波川変成帯に来たことを、はっきり認識することができる。地質は緑色・泥質・紅簾石・緑閃片岩で構成され、民家の塀などにもこれらの色彩豊かな結晶片岩が使われている。
この沼島南岸の風景は地中海に浮かぶカプリ島のファラリョーニと重なる。白亜の変成を受けたこの海岸から遥か太平洋を望むとき、太古から吹く悠久の風を感じずにはいられない。
2009年9月19日土曜日
地球と生命の進化
地球と生命の進化
低気圧通過後の夕景を眺めながら地球と生命の歴史を振り返ってみた。
初期の原始地球はマグマオーシャンであったと考えられる。高温に溶けた地球が冷える過程で地表に雨が降り注ぎ海と生命が誕生した。次に、プレート運動が始まり外核の対流が激しくなったことで磁場が生まれた。有害な宇宙線の影響を受けなくなった生物は浅い海に進出。その後、光合成生物が出現し、大気中に大量の酸素を放出した。酸素濃度が上がるとオゾン層が形成され、生物は陸上へと進出することができた。
地球環境の変化が生物に影響をあたえ、生物もまた地球環境に影響をあたえながら進化をしてきた。そして、この関係は永遠に続くのである。
2009年9月8日火曜日
岡山の隆起準平原
岡山の隆起準平原
遠方の吉備高原を望む風景である。 岡山県の中央部にはこのような低い台地上の山地が多く、この吉備高原もその一つである。このような地形は隆起準平原と呼ばれており、以前は標高の高い山地であったところが侵食されて平原状になり、そのあとでさらに台地が隆起してできた地形である。このような地形では基底面の標高が高いところほど古い地層となっている。
岡山県の地形は、北の中国山地から南の瀬戸内海まで階段状に低くなっており、中国脊梁山地からこの中央部の吉備高原山地そして瀬戸内海沿岸山地へと段階的に標高を下げている。
このあたりを車で走らせると、いつも穏やかな気分になる。それは、この嫋やかな平原台地の存在があるから、そう感じるのである。
2009年8月31日月曜日
大雨と堆積岩
雨と堆積岩
大雨による土砂崩れの近くで確認した砕屑物の様子で、流水により運ばれてきた細粒の泥に周辺の礫が取り込まれて固まろうとしている。 このように砕屑物が堆積岩となる作用を続成作用と呼び、圧蜜作用や鉱物のセメント化作用によって緻密なレキ岩ができる。
今年の台風9号は兵庫県に大きな被害をもたらした。あの福知渓谷の巨岩も動いたようである。我々は千年に一度の大雨が巨岩を動かす瞬間に立ち会ったことになるかも知れない。地球史的にみるとこの様なことは頻繁に起こっており、その度に地形が変わっていく。そして、堆積岩も生まれることになる。
2009年8月5日水曜日
地質学的時間の考察
地質学的時間の考察
集中豪雨後の兵庫県中流域を流れる市川の様子である。
堆積地層は数千年に一度しか起こらないような大洪水や地滑りの土砂により形成され、数時間や数日という短い時間で地層ができる。地質学的な見方をすれば、まさに「瞬間」の現象ということになる。
我々が普段生活している穏やかな日常時間では地層が生まれない。ごく稀な自然現象が起きたときに物質的な地層が堆積することになる。一方、時間的にみると地層と地層の間にこそ日常の長い時間が隠れていることになる。
つまり、地層をみるときには非日常の瞬間的に堆積した物質をみていることになり、日常の様子は見えてこないのである。地層を調べるときには、このことに最大の注意を払う必要があるのだ。
2009年8月1日土曜日
枕状溶岩
枕状溶岩
海底火山から噴出したマグマが枕状溶岩をつくることがある。玄武岩質のマグマが海水で急冷され袋状となりやがてその袋が破れまたその先に袋状のかたまりが累々とできていく。この様な丸い形状の岩石を枕状溶岩と呼んでいる。
ここ丹波帯若井コンプレックスの地層は大洋底に堆積した地層がプレート移動によって陸域に付加されて形成されたもので、三畳紀からジュラ紀にかけて形成された地層になる。岩質は方沸石を含む緑色岩である。海嶺で生まれた枕状溶岩は様々な情報が詰まったカプセルなのだ。
2009年6月2日火曜日
上三河の変斑れい岩
上三河の変斑れい岩
作用町の千種川沿いを車で北上していると、突然、右岸の河原に溶岩流のような形の岩体が姿を表す。全体に緑色をしたこの岩体の正体は、夜久野オフィオライト帯に属する変斑れい岩の露頭であった。近くで確認すると白い方解石の脈が縦横に走っているのが確認できる。このオフィオライト帯は、福井、京都、兵庫、岡山にかけて帯状に走る舞鶴帯の一部を形成している。
オフィオライト帯の断片は日本列島の形成メカニズムをダイナミックに証明してくれていることになる。
2009年5月12日火曜日
穂高の表玄関「岳沢」
穂高の表玄関「岳沢」
山岳リゾート上高地から見上げた風景の一コマ。
背景の穂高連峰も素敵だがこの氷食地形の岳沢も負けてはいない。
山岳氷河による侵食を受けた岳沢。氷食作用で谷の断面がU字型
に削られたカール地形の代表でもある。このカールの底には周氷河堆積物のモレーンも確認できる。おそらく最終氷期であるウルム氷期後半にできた地形であろう。
ここ飛騨山脈は登山家の間では北アルプスと呼ばれている。この呼び名は明治政府が造幣局に招聘したイギリス人冶金技師で登山家でもあるウィリアム・ゴーランドが「ジャパン・アルプス」として命名した。彼については王立鉱山学校の出身者でもあるので大変興味深い。
2009年5月11日月曜日
甌穴と造形美
甌穴と造形美
鳥取県、赤波川渓谷の侵食地形。
赤波川渓谷の中流域には花崗岩が削られてできた甌穴群が多数ある。甌穴とは岩の隙間に入り込んだ小石が水流によって周辺の岩石を研磨してできた丸い窪みのことである。
この甌穴群も長い年月にわたり浸食作用を受けてきたのであろう。このような地形からも自然の造形美を感じることができる。
2009年5月1日金曜日
一本の針葉樹
一本の針葉樹
穏やかな春の日、広葉樹の中に一本の針葉樹を見つけた。
この木の心境はいかに・・近くに仲間がいないので寂しがっているのか、それとも針葉樹の代表として胸を張ってこの地に踏ん張っているのか。
自分もこのような違う世界に飛び込めるだろうか・・この風景はそのようなことを考えさせてくれる。
2009年4月14日火曜日
巨木とモデルバーン
巨木とモデルバーン
北大札幌キャンパスの北端にある巨木と日本最古の洋風畜舎郡。
ここ、札幌農学校第2農場は、あのクラーク博士の構想に基づき酪農畜舎と関連施設を並べた実践農場であった。園芸学、植物学、鉱物学の専門家である彼は日本の為に海外の先進技術の多くを教えてくれた。
それにしても牧歌的で素敵な風景である。この聖域に足を踏み入れた者は、どこか懐かしく優しい感覚を覚えるに違いない。
2009年4月7日火曜日
ディオニュソスの耳
ディオニュソスの耳
その耳はシチリアの石切り場にあった。 別名、ロバの耳とも呼ばれている人工洞窟である。この一帯は薄茶色のシチリア石灰岩が広がり、この穴はその石灰岩を採石するために開けられたものである。 この洞窟は反響効果が高く観光客も多く訪れる。
昨日、イタリア中部でマグニチュード6.3 の地震があった。 多数の犠牲者と中世時代の石造建築物の多くが被害を受けているようだ。この石切り場も17世紀の地震で大きく崩れ、その後この場所は「天国の石切り場」 という名前で呼ばれるようになった。
今回の犠牲者のご冥福を祈る。
2009年4月2日木曜日
トルコの秘境カッパドキア
トルコの秘境カッパドキア
カッパドキアで一番美しいローズバレー。
黄昏色の夕陽がこの台地を包む・・ その瞬間が最も美しい。
鮮新世後期の火山活動で噴出した溶岩と凝灰岩がその後の侵食により削られてこのような風景ができあがった。 種類の違う岩石の侵食速度の違いが奇観を作ることになる。場所によっては黒い玄武岩と白い凝灰岩の違いがはっきり確認でき、きのこの様な岩が残っているところがある。これは上層部の玄武岩より下層部の凝灰岩の侵食が速く進んだためこのような奇岩になったものである。
キリスト教の修道士はわざとこの不毛の地を修行の場所に選び、その後、ここの洞穴隠者はビザンティン帝国の主流となっていった。修道士という言葉はビザンティン帝国において始まったのである。そして、この乾燥しきった台地も、冬には雪に埋るのである。
2009年4月1日水曜日
おとぎの国アルベロベッロ
おとぎの国アルベロベッロ
そこには円錐形の屋根を持つ白壁の家が密集していた。
この南イタリアの愛らしい家は 「トゥルッリ」 と呼ばれている。壁は石灰岩を積み重ねた上に漆喰を塗り、屋根は適当な大きさの石灰岩を積み重ねて仕上げている。 アルベロベッロのあるムルジア台地は主に石灰岩で構成されている。この土地の人々は簡単に手に入る材料でこの様な独創的な建築を生み出した。 この様な建築物を眺めていると、日本が森林王国であることを再認識させられる。我々の国土は、3分の2が森林なのだ...
2009年3月31日火曜日
褶曲山地「アルプス」
褶曲山地「アルプス」
ツェルマットから眺めたマッターホルン。
この山は北東側の姿が美しく、北壁はアルプス3大北壁の一つに数えられている。個人的には登山もするので憧れの山でもある。 このスイス・イタリアの国境にあるマッターホルンは上層は花崗岩や古生代片麻岩、下層は中生代の結晶片岩やオフィオライトから構成されている。つまり古い地層である古生代のナップが中生代の変性帯やオフイオライトの上に乗り上げてしまっているのだ。
大陸と大陸がぶつかる地塊衝突によりできた褶曲山地「アルプス」。ここは地球のエネルギーを感じさせてくれる場所でもある。
2009年3月30日月曜日
アイスリーゼンヴェルト
アイスリーゼンヴェルト
ヴェルフェンの街から見上げるホーホコーゲル山脈の西斜面、標高、1641m付近に、アイスリーゼンヴェルト「Eisriesenwelt」がある。
ここは世界最大の氷の洞窟で約42kmの地下道が続いている。この地域のダハシュタイン山塊は三畳紀の石灰岩で構成された広大なカルスト地形が広がっている。地質的にはダハシュタイン石灰岩と呼ばれ北部石灰岩アルプスに所属することになる。 また、このあたりは岩塩坑が多いのも特徴である。ここオーストリアのザルツブルク州は「岩塩の城」という意味があり、古くから岩塩の取引で栄えた地域でもある。
2009年3月27日金曜日
石灰岩台地とブルーラグーン
石灰岩台地とブルーラグーン
地中海のへそ、マルタである。
この島の基盤は石灰岩の地層で構成されており、島の周辺は断崖になっている。島を取り囲む海の入り江にはブルーラグーンが広がっており、白い石灰岩とエメラルドグリーンの海とのコントラストが実に美しい。島内には巨石のドルメンやカートラットが残っており太古のロマンを誘う。
もしここがプラトンの言うアトランティスの残骸であればと考えるとじっとしていられない衝動にかられる..地質学的見地からアトランティスの可能性を追求するのもよかろう。体力と情熱があるあいだに再確認してみたい..
2009年3月26日木曜日
ジャイアンツコーズウェイ
ジャイアンツコーズウェイ
それは、海の中へ続く階段であった。
この不思議な海岸は、北アイルランドのアントリウム郡にあり、新生代の火山活動により噴出した玄武岩溶岩で構成されている。溶岩が冷却される過程において、収縮率の違いが生じ規則正しいこの様な6角形の柱状節理が生じた。柱の長さは長いところで約25mあり、この数字はそのまま溶岩の厚みを示していることになる。この玄武岩の生成年代は約5千万年前で当初は周辺のチョーク層を貫いて噴出していたが、その後の侵食でチョーク層が消え去り、現在の様な柱状節理が顔を出すことになった。
この海岸については数々の伝説が残っている。巨人がスコットランドのスタファ島で恋に落ち、その恋人をアイルランドに連れ帰るためにこの石道をつくった・・というものだ。そうか・・巨人も恋をするのか・・
2009年3月17日火曜日
我らはどこから来たのか・・
我らはどこから来たのか・・
D'où venons nous? Que sommes-nous? Où allons-nous?
「我らはどこから来たのか? 我らは何か? そしてどこへ行くのか?」
前回のコラムに取り上げたゴーギャンの遺言的作品のタイトルであり、我々人類が追求している言葉でもある。
この絵は彼が自殺を決意した時に描かれた絵であり、作品の右から左にかけて人生の始まりから終わりまでをストーリーとして描いている。ゴーギャンはタヒチの女を「金色の肩や腕」「茨のように繁り軽く縮れている髪は息を呑むほど美しい」と表現している。人間も自然的な人ほど美しい..それと同じで、地球も文明の影響を受けていない自然の姿が美しいと感じる。
芸術家であり思想家でもあるゴーギャンは無垢な人間性を追求した。我々も地球科学の視点から人間とは何かを追求しなければ...
2009年2月10日火曜日
日本版「雪のブルターニュ」
日本版「雪のブルターニュ」
山の峠を越えたところにその家はあった。
赤い窓枠がとても印象的で映画の1シーンを観ているような風景である。この赤い色は白一色になる冬景色を意識してデザインされたものなのか..北欧の家にファールンレッドや原色の色が多く使われているのもそのような理由からなのだろう。そういえば、ゴーギャンが死の直前に描いた 「雪のブルターニュ」 にも、赤褐色の家や教会が描かれていたのを思い出す..
2009年1月19日月曜日
花崗岩晶洞ペグマタイト
花崗岩晶洞ペグマタイト
滋賀県、比良でサンプリングした花崗岩晶洞ぺグマタイト。地下のマグマがゆっくり固結する時にマグマのルーフ 直下などで水分を含んだマグマの残液が圧力変化により発泡し、 大きな空間を作ることがある。 このような空間では鉱物が大きく成長することができ、一般にはこのような巨晶鉱物の集合体をペグマタイトと呼んでいる。 また、残液からは希土類元素を含む珍しい鉱物が生まれることもある。
ペグマタイトの発見は、心、ときめく。美しい結晶鉱物が育つ神秘的な空間との出会いは、いつも感動的である。
2009年1月17日土曜日
ザイフェンの煙吐き人形
ザイフェンの煙吐き人形
ドイツ ・ ザクセン州のドレスデンから南に 50km、チェコ国境近くにエル山岳地帯がある。この人形は、 そこのザイフェン村で作られた。 この村は、 かつて錫などの鉱物採掘で栄えたが、 やがて衰退し、 現在は当時の冬場の副産業であった木彫りの玩具作りを主産業に切り替えて生活をしている。100件以上ある工房は、 代々受け継がれた伝統あるモチーフを継承しながら、今も製作を続けている。
胴体内部にお香をセットすることにより口から煙を吐かせる。このギミックがたまらない...
2009年1月11日日曜日
花崗岩バッドランド
花崗岩バッドランド
何とも不思議な地形である。
宝塚から有馬へ向かう街道沿いに花崗岩の崩壊地帯がある。ここは、蓬莱峡と呼ばれている。
蓬莱峡は六甲山を東西に走る断層の破砕帯にできた崩壊地形で、草木もまともに生息できない速さで崩壊が進んでいる場所である。地学用語ではこのような地形をバッドランドと呼んでいる。
六甲山は100万年前からの断層運動によって隆起しはじめ今も<成長を続けている。このバッドランドはその成長を証明してくれているのだ。
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冬の斜光に輝く
月と観覧車
青年期の富士山
雪柿と自然学
進化の証拠を探す旅
ゼノリスと想像力
断層上の駅
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自然に接して感動する
芸術的な溶岩柱
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白亜紀のカルデラ
錆色の美しさ
岩とアルピニスト
石のある暮らし
錦秋に燃える
魅惑の変成岩
岩塊流と自然観
落葉と落陽
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マグマの杭、橋杭岩
地球深部探査船「ちきゅう」
村岡層のタービタイト
白亜紀の堆積地層
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兵庫最南端の島、沼島
地球と生命の進化
岡山の隆起準平原
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大雨と堆積岩
地質学的時間の考察
枕状溶岩
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上三河の変斑れい岩
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穂高の表玄関「岳沢」
甌穴と造形美
一本の針葉樹
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巨木とモデルバーン
ディオニュソスの耳
トルコの秘境カッパドキア
おとぎの国アルベロベッロ
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褶曲山地「アルプス」
アイスリーゼンヴェルト
石灰岩台地とブルーラグーン
ジャイアンツコーズウェイ
我らはどこから来たのか・・
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日本版「雪のブルターニュ」
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ザイフェンの煙吐き人形
花崗岩バッドランド
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