2010年5月23日日曜日

「自然史」を考える

「自然史」を考える

 窓の外は地雨かな・・眼下に見下ろす庭先に一つの転石がある。雑木林に囲まれたこの石は、僕の遠い記憶の中にも存在している。石は庭石などではなく、昔からここに存在している自然の石。白亜紀の火成活動で凝灰岩となり、転石となったのものであろう・・ 石には「自然史」の記憶が刻み込まれているはずである。「自然史」という美しい響きの言葉には、大地の活動や生命の活動を含めた地球史の貴重な時間と記憶が含まれているのだ・・

そして、今を生きる私たちもまた、「自然史」の一部なのである。

2010年5月16日日曜日

笠形山の礫岩層

笠形山の礫岩層

 この地域には白亜紀の火成活動の後にできた古いカルデラが存在する。地形からは確認できないが湖成層を詳しく調べることで確認ができる。
 
 湖成層とは火成活動の後にできたカルデラ湖に堆積した砂岩・泥岩層のことである。ここの砂岩・泥岩層にはカルデラ壁が崩れてできたと思われる角礫岩が含まれている。この中には強く溶結した凝灰岩なども確認できる。

 現在の地形からはカルデラの存在など想像もできないが、白亜紀の時代
にはこの辺りが火山フロントであったことに間違いはない・・

2010年5月9日日曜日

ゴンドワナ大陸とマプサウルス

ゴンドワナ大陸とマプサウルス

 南米大陸アルゼンチンで発掘された大型獣脚類「マプサウルス」の頭骨。

 マプサウルスは白亜紀後期の恐竜ということから当時のゴンドワナ大陸に生息していたことになる。ペルム紀から三畳紀にかけて存在した超大陸パンゲアが分裂し、中生代ジュラ紀から白亜紀に掛けてテチス海を挟んで北半球にローラシア大陸、南半球にゴンドワナ大陸が生成された。ゴンドワナ大陸は現在の南アメリカ・アフリカ・南極・オーストラリアの集合体だったのだ。

 ティラノサウルスは北半球のローラシア大陸、マプサウルスは南半球のゴンドワナ大陸でしか発見されていない。両者は体格も似ており各大陸を代表する大型獣脚類である。大陸の分裂は進化の過程に影響を与える。きっとこれらの恐竜も何らかの影響を受けたに違いない・・

2010年5月8日土曜日

原初的で根源的な感動

原初的で根源的な感動

 この独特の模様と色彩に惹かれる。

 氷ノ山の林道を登りつめると、この地衣類を纏ったブナの大木に出逢うことができる。これまでにも幾度となく対面してきているが、今年もこの樹に出逢えたことを嬉しく思う。関西でも有数の豪雪地帯であるこの地域で雪に埋もれながら頑張っている姿を想像する時、感動せずにはいられない。そして、この林道の最高所には毎年5月中旬まで雪が残るのである・・

 自然は我々に感動を与えてくれる。それは原初的で根源的な感動である。

2010年5月7日金曜日

奥津渓谷と人形峠

奥津渓谷と人形峠

 花崗岩を侵食しながら流れる吉井川。上流には美しい花崗岩の峡谷がある。

 この変化に富んだ渓谷は約6000万年前 に貫入した花崗閃緑岩で構成されている。 そして、この川の上流部にはウラン鉱床で有名な人形峠がある。人形峠は花崗岩との接触部である砂岩・礫岩層にウランが濃集してできた鉱床で堆積型ウラン鉱床と呼ばれている。

 このあたり清流沿いには湯原・奥津・湯郷などの素敵な温泉がある。次に来るときは、秋の紅葉と温泉のセットで楽しむとするか・・

2010年5月4日火曜日

轟火山の火山弾

轟火山の火山弾

 噴火時のマグマが空中で冷却され地上に落ちてきた塊である。
形状としては紡錘状火山弾に近い。斑晶としてはオリーブ色のかんらん石が確認できる。表面は薄くはがれやすい層状構造になっている。

 轟火山は今から約250万年前の第四紀更新世前期に活動した火山で近くにある氷ノ山と同時期の火成活動であったと推察できる。傾斜のゆるい楯状火山であった轟火山が大量に玄武岩質マグマを放出し、現在の轟高原や杉ケ沢高原を形成したものと考えられる。この火山弾はその時の噴火で放出されたものに違いない。