2011年8月16日火曜日

山の中の海成堆積岩

山の中の海成堆積岩

林道沿いの小川で頁岩に出会った。 山塊の中で海成の石に出会うとなぜか嬉しくなる。

 この岩盤は海成堆積岩の赤色頁岩 で 遠い海の彼方からプレート運動によって運ばれてきたものである。おそらく日本海もまだ形成されていないジュラ紀の時代に付加されたものであろう。

 調査帰りに激しい夕立に遭遇した。 一瞬ですべてを洗い流すと同時に私の頭の中の古い固定概念も拭い去ってくれた。やはり自然は偉大である・・

2011年7月18日月曜日

焼岳と自然観察

焼岳と自然観察

 日本アルプスの中で唯一の活火山、焼岳。
上高地にある焼岳はトロイデ式の火山で上部に溶岩ドームをのせている。 この火山のマグマは火砕流を発生させることが多く、麓には火砕流堆積物による丘状のガリーが確認できる。手前には噴出した溶岩が梓川を堰き止めた結果にできた堰止湖の大正池がある。

 それにしても美しい景観である。時間が許せば、この上高地という地形がどのようにしてできたのかをゆっくりと考えてみたい。山岳地形である日本アルプスの中にこのような平坦な堆積盆地が出現する過程にはどのような条件が重なったのだろうか・・

 山や自然に対しては、科学的教養を持って観察することが重要である。美しい自然やダイナミックな自然の成り立ちが理解できてこそ、本当の意味での感動を得られるはずである。

2011年7月11日月曜日

三波川変成帯のエクロジャイト

三波川変成帯のエクロジャイト

 海洋地殻を構成する玄武岩やハンレイ岩がプレートの沈み込みによって高圧変成を受けた結果、このような変成岩ができることがある。茶色の斑点部分はざくろ石で緑色の部分にはオンファス輝石が含まれている。

 この石は高圧変成帯研究にとって、大変貴重な石である。特にざくろ石等に含まれる包有物や組成累帯構造を調べることは有意義で、地下深部から移動してくる変成岩の上昇メカニズム解明に役立っている。

 この深遠で神秘的な石に惹かれる。

2011年7月8日金曜日

「石と人間の歴史」

「石と人間の歴史」

 至福の時間がここにある。

 石に関する興味深い話題を地学的・岩石学的側面、歴史的・文化的側面の両面から解説してくれている。本のタイトルは「石と人間の歴史」。

 石の持っている面白さを専門から少し離れた視点で観ており時間の許す時にゆっくり読みかえしたい本でもある。

 本の傍の石は、ざくろ石角閃片岩。角閃石の間に大粒のざくろ石が晶出している。地下深部においてある一定の温度と圧力を受け変成したものである。

2011年5月9日月曜日

別子に思う

別子に思う

  四国は旧別子鉱山、端出場地区にある旧水力発電所遺跡である。別子地域に足を踏み入れるとまず目に飛び込んでくる施設でもある。  この地域は西南日本三波川帯の別子地域にあたり地質学的に重要な変成岩地帯である。毎年、様々な研究者がこの場所を訪れている。この地域を調査することは、沈み込み帯のテクトニクスを解明することにつながるのだ。 また、この地域の国領川・銅山川・関川では身近に変成岩を観察することができ、 数時間もあれば簡単な変成岩標本を完成させることもできる。

  悠久の時の流れの中で複雑な変化を受けてきた変成岩。その変成岩に囲まれながら地球深部の変成履歴を思索する時間がとても素敵なのである。

2011年1月12日水曜日

火山岩頸 「ル・ピュイ」

火山岩頸 「ル・ピュイ」

 新春の賀状は「Le Puy」を選択した。毎年、自分の油彩作品の中から気に入ったものを選んで賀状にしている。

 ル・ピュイとはサンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼起点の一つでフランスでは珍しいオーベルニュ火山地帯にある町の名前である。

 溶岩でつくられた黒い聖母像を祭るノートルダム大聖堂も魅力的だが、この玄武岩の岩峰と詩的幻想を生み出した空中に浮かぶ小さな礼拝堂、サン・ミシェル・デギーユには何故か惹かれてしまうのである..

マントルの断片

マントルの断片

  大島半島の塩浜海水浴場から赤礁崎にかけての海岸沿いにはマントルの断片が地表に顔を出している。

 この場所では、斑れい岩・ダナイト・ハルツバージャイト などを観察することができ地殻からマントルにかけての構造を連続的に把握することができる貴重な場所なのである。

 かんらん岩の仲間であるダナイト調べると黒色のクロマイトを含んでいる。 超丹波帯の赤礁崎層状チャートも気になるが、マントル断片はさらに魅力的な存在なのである。